REPORTSリポート
最後尾スタートから、ピット戦略を駆使して上位に進出。 燃圧の低下で予定外のピットに入るも粘りの走りで22台抜きを見せる。

HATTORI RACING ENTERPRISES (HRE)は、「株式会社アイシン」の支援を受けCar # 61「AISIN TOYOTA GR SUPRA」でXfinity SERIES第29戦に参戦した。最後尾40番手スタートから絶妙のピット戦略で4番手まで順位を上げる。レース後半の燃圧低下で順位を下げるも粘りの走りで22台抜きの18位でフィニッシュ。
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フリー走行: なし(米国現地時間)
予選:なし(米国現地時間)
決勝:67laps / 155.44 miles / 250.15 km10月9日(土)15:00(米国現地時間)
10月10日(日)4:00(日本時間)
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CHARLOTTE は、NASCARの協会本部や関連団体、チームの大半が拠点を構えるNASCARの総本山。今回の決勝の舞台となるCHARLOTTE MOTOR SPEEDWAY ROAD COURSEはダウンタウンから約15マイル北に位置する。コースレイアウトは1.5マイルのオーバル部分とインフィールドのロードセクションを組み合わせた構成で、全長は2.28マイル(約3.6キロ)。全部で17のコーナーを持ちデイトナ同様、内側を走ってまた同じ場所に戻り、ほぼオーバルも丸々活用するため『ローバル』という愛称が付いている。ロードコース部分は、高低差、狭い道幅、そして、ほとんど真っすぐブレーキを踏める場所がなく、重たいストックカーで走るのは難易度が高い。
今回のスポンサーであるアイシンは世界207社からなる自動車関連部品メーカー。経営理念に「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」を掲げ、モビリティやエネルギー関連事業などの商品・サービスや新たなイノベーションにより、2050年カーボンニュートラルの実現をはじめとしたさまざまな社会課題を解決し、感動と笑顔にあふれる社会を実現するソリューションカンパニーを目指している。
Qualify予選

Final決勝
10月9日(土)、ノースカロライナ州のCHARLOTTE MOTOR SPEEDWAY ROAD COURSEでNASCAR Xfinity SERIES第29戦「Drive for the Cure 250」が開催された。予選を行わない決勝グリッドはカーナンバーによるポイント順にスタート順位の抽選が行われた。#61はポイント30位以下の抽選により、逆ポールポジションの最後尾40番手からスタートを切ることとなった。
今回のレースは第1ステージ20周、第2ステージ20周、そして27周の第3ステージからなる67周(155.44マイル:約250.15Km)で午後3:00、2.28マイルのオーバルとロードコースを組み合わせた通称ローバル(Roval)コースの決勝レースがスタートした。オープニングラップで31番手までジャンプアップ、直ぐに前車のクラッシュによるイエローコーションでのリスタートで23番手までアップし、周回毎に前車を攻略し20番手まで上げる。ロードコースでのレースはオーバルとは違い1周のラップタイムが1分以上と長いため、グリーンフラッグ下でのピットストップでも周回遅れにならない。各チームは違ったピット戦略を取りやすくPlay-Offに入っていないチームはステージポイントを捨て早めのピットインを行い、次のステージでのスタート順位を上げる作戦を取るチームが多い。HREはステージブレイク前の15周目にピットインを指示。給油と4本のタイヤ交換、空気圧調整を施しコースに戻すと38番手から追いかける展開となり、20周目の第1ステージを34番手でフィニッシュ。このステージブレイクでチームの戦略が見事に決まり、オースティンは4位から第2ステージのスタートを切ることになった。

第2ステージのグリーンフラッグが振られるとピット戦略で上位に上がったマシンとステージブレイクで新品タイヤを装着した上位マシンとの間で激しいバトルが各コーナーでスタートする。オースティンは次第に順位を下げるも10位前後で走行を続ける。29周目にイエローコーションが出されたタイミングでチームはハンドリングの改善を目指しピットインを指示。給油とタイヤ交換とともにセッティング変更を施してコースに戻し29番手からリスタート。荒れたレースは36周目にもクラッシュによるイエローコーションが出されると多くの車両がピットインする中、オースティンはコースに留まり、残り2周の第2ステージを18番手でチェッカーを受ける。このステージブレイクでもハンドリングの改善を目指してチームはピットインを指示。給油と新たなタイヤ交換、更にセッティング変更を施して25番手から最終ステージのスタートを迎える。

43周目に最終ステージのグリーンフラッグが振られると一気に20番手にアップ。ここからコーナー毎に前後の車両との激しい攻防となりサイドバイサイドの展開が続く。新品タイヤとハンドリングが改善されたマシンはラップタイムが飛躍的に上がり、オースティンは順位を上げていくが、レースも残り10周を切った60周目にマシンの燃圧が下がりコーナーで失速症状が出る。チームは何とかピットにたどり着いたオースティンに燃料の補給だけを行いコースに戻すが30位まで順位が下がってしまう。しかしレースは最終盤のチェッカーを目前にした63周目にイエローコーションが出され、残り2周のオーバータイムに突入。ここでチームはピットインを指示、念のために更なる燃料補給と温存していた新品タイヤを装着して最後のスタートダッシュに賭ける作戦に出る。激しさを増した残り2周の争いはコーナー毎にスリーワイドの激しいレースとなりゴール直前のシケインで複数の車両が接触する多重クラッシュが発生。オースティンはスピンするマシンを間一髪ですり抜けて20位でチェッカーを受けるが、シケインをショートカットした2台にペナルティの裁定が下され、18位の正式結果でレースを締め括った。
最後尾スタートながらもピット戦略とクレバーな走りで22台抜きを見せたチームとオースティン。次戦は、北米トヨタの本拠地テキサスに舞台を移し、チームとオースティンが得意とする高速1.5マイル、クワッドオーバルのTEXAS MOTOR SPEEDWAYに優勝を目指して挑む。

Team Owner Shigeaki Hattori 服部茂章
最後尾の40位スタートながらもピット戦略が決まり、上位入賞の期待が掛かりましたが、燃圧の低下で想定外のピットを余儀なくされて順位を下げてしまいました。タンクに燃料はまだ残っていましたが、オーバルセクションを走る区間で燃料の偏りが起きてしまった事が原因です。チームとして初めて参戦した特殊な『Roval』レースで練習走行がない為に想定外のトラブルが出てしまいましたが、マシンもピット戦略も良かったので、結果に繋がらず非常に残念です。
本年度のGRスープラでのレースは今週のテキサスが最後のレースになりますので、引き続き優勝を目指し全力を尽くして戦いたいと思います。

CHARLOTTE MOTOR SPEEDWAY ROAD COURSE 結果
CAR# | ドライバー | 予選 | 決勝 | ランキング |
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61 | Austin Hill | 40位 | 18位 | |
レースの模様は「NBC SN」にて全米、カナダ、ラテンアメリカで10月9日(土) 16:00 (現地時間)より生中継された。
HREは10月16日(土)にテキサス州・TEXAS MOTOR SPEEDWAYにて開催されるNASCAR XfinitySERIES 第30戦に参戦する。
Vertex Sports担当:柚木 Tel:03-5422-6600 Email:iyuzuki@vertex-sp.com